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 読了作品のまとめ的記事です。簡単な感想だけ書く(まともに書評もできないから!)。


・コメント返信
>無為さん
 やった! 褒められた!


・読書(マンガ)
 最近「あしたのジョー/ちばてつや|高森朝雄」を読み始めた。
 面白いのが、主人公の矢吹が天才に見えない点である(そう見えていないのは前田が変だからかもしれないが)。作中でも天才だと言われているが、どうにもそうは見えない。まだ全部を読んだわけではないが、矢吹のボクシングは「蝶のように舞い、蜂のように刺す」とは全く違うからではないだろうか。凄く「泥臭い」印象を受ける。ボロボロになって何とか勝利する、というような。
 その「泥臭さ」を加速させているのが絵じゃないか、とも思った。比較すると解りやすいので「はじめの一歩/森川ジョージ」を引き合いに出すと、パンチが当たったときの顔が違う。(少なくとも最近の)「一歩」ではパンチを受けると「顔が弾かれたように」なる。しかし「ジョー」の場合は「顔が歪む」。めこりと、拳がめり込む感じ。
 本作の主人公は疑うまでもなく矢吹丈だが、敢えて「矢吹の物語」ではなく、かといって「力石の物語」でもなく「葉子の物語」として読むと、また面白いかも、と思った。


・読書(小説)
「変身/カフカ」
 書き出しは異様に有名な作品。原文では特に「虫」と書かれているのではないらしい。
 海外文学の代表格として話題に上ることが多いかと思うが、自分には文学として読めなかった(「文学」なんていうジャンルはないらしいが)。不条理な出来事に対する主人公のスタンスは前田の思う「典型的な文学らしさ」であったけど、まさかそれだけがこの作品の文学である由縁のはずがないだろう。
 かといって、前田は他に「文学だ」と思えたところがなかった。それよりもむしろ、ホラーとしてしかこの作品を読むことができなかった。つまり「突如降りかかる理不尽さ」に対する恐怖である。
 読書って難しい!

「顰蹙文学カフェ/高橋源一郎|山田詠美」
 高橋源一郎と山田詠美と、あとひとりゲストの対談集。本のタイトルにもなっている「顰蹙」という言葉はキーワード的に出てくる。「文学というのは顰蹙を買ってナンボだ!」という感じで。
 内容は……あんまり憶えていない。

「虚無への供物/中井英夫」
 日本三大ミステリのひとつ。今作を読んだため、前田が残すのは「黒死館殺人事件/小栗虫太郎」のみ。
 感想は「よく解らない」。
 前田は恐らく、途中から事実関係を掴めなくなっていた。本格ミステリ的な楽しみも全く読めていない。アンチミステリ的な楽しみとは何なのか解らない。文章は前田にとって難読。
 泣き言だらけである。

「春琴抄/谷崎潤一郎」
 前田はキャラ小説としてしか読めていないのであった。しかし「痴人の愛」より面白かったよ! 前田にとっては!

「冬の狙撃手/鳴海 章」
 ハード・サスペンスと銘打たれた作品。アオリの「俺は指ですよ……背景に目がいけば、ミスをするだけです」の文句に惹かれて衝動買い。タイトル通り、作品のヒーロー(?)がスナイパ。
 この手の作品を読むのは初めてである。印象としてはまず、説明がべらぼうに多い。銃火器に関しての説明(描写との区別はつけにくいかも)が相当量登場する。航空機についても(作者の得意分野らしい)。好きな人には堪らないのかもしれないが、逆にいえば興味のない人にとってはマイナスになってしまう気がする(この辺りは良い悪いで語ることではないだろう)。
 作品を一口で乱暴に言ってしまえば「暴力と権力についての闘争」になると思う。これは全く個人的な好みの問題だが、前田は「権力についての闘争」は嫌いだ。「権力の闘争」を描いた作品は必要とされるし、されるべきとも思うけど、前田は自分で書きたいと思えない。理由は、読後感に「怒り」が混じるからである。従って、前田はこの作品を読んで、自分で書くべき作品の方向を改めて意識したのであった(何やら読書感想文のようだ。その通りなのだけど)。

「きつねのはなし/森見登美彦」
(珍しく)真面目な森見作品。氏の他の作品を読んで見事な語彙力だと思っていた故に、今作はその語彙力を(真面目な方向に)活かした文章になっているのだろうなぁ、と予想していたが、違った。語彙は「夜は短し歩けよ乙女」や「有頂天家族」などよりもむしろ平易な気がする。
 短編集(短編連作?)であるが、いずれの作品も「暗く、穏やか」といった印象だった。時間でいうと黄昏時みたいな。ストーリィの印象では、怪談、だろうか。きっちりと事実関係を把握、解釈すれば全貌が分かるのかも知れないが、生憎、前田には解らなかった。
 森見を「夜は短し~」などで知り、ファンになった人にはちょっと勧めづらい作品かもしれない。
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