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・読書
「浄土/町田 康」読了。短編集。
 初読で何がなんやら、という感じだったので二読したところ(とはいっても「犬死」だけだが)、テーマのようなものが分かった。
 テーマが自分の中に明らかになるということ自体はいい。問題は、一度気付いたテーマからの観点のみで作品を読もうとしてしまうという点だ。つまり、読書の視点が固定されてしまう。思考が不自由になるということ。
 前田は「犬死」に「人間の内面と、人間を取り巻く外部の関係」という観点でのテーマを読み取ったのだが、テーマを発想して以降、作品の各部分を全て上のテーマからでしか考えられなくなってしまった。
 思考が束縛されること。これがまずい。小説を読むということの豊かさが失われてしまう気がする。これは「比喩が面白くない」ということに似ている。テーマによって小説が比喩されてしまっている。

 と、そんなことを思った読書になった。あと、町田康が町田町蔵だということを解説で初めて知った。
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