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・歌っていうからにはロックにもなるはずだ
 短歌を詠んでみようか、という気分になっている。twitterで短歌を呟き続ける計画。果たして実行されるか否か?


・読書(ネタバレあり)
「生活/福満しげゆき」読了。作者はエッセイ漫画で活躍していて、その中で「バトル漫画を描きたい」というようなことを書いていたが、バトルも面白いじゃないかと思う。
 真っ先に目に付いた面白さが「街が舞台となっている」ということ。普通のフィクションは空間の何処かが舞台となっていて、その何処かというのは例えば街の一部であったりする。しかし少なくとも前田は、そのような街の一部を舞台としているフィクションを読んでいて、街があるということを意識しない。現に描かれている場所が注目すべき場所で、そこ以外にも場所があるということを意識していない、ともいえる。街を点的に捉えている、といったところか。対して今作は、街を線的(もしくは平面的)に捉えさせようとする。これは主人公ら登場人物以外にも人がいて、人が活動しているという認識だ。ギャグテイストで入っている「彼の人生において彼女と会うことは二度となかった」というナレーションは、街全体に意識を向けさせる原因のひとつだと思う。ギャグテイストとはいえ、今作に於いてかなり重要な演出ではないだろうか(前田は谷川俊太郎の詩の一説を思い出した)。
 コマのところどころで同じ人物が登場しているなどは、街全体へ意識を向けさせる方法だと思うが、決定的でない。これだけでは群像劇で「こことここが繋がっているのか」というカタルシスと変わらない。大切なのは繋がっているということではなくて、繋がっていないがある、ということだ。
 アクションについてもかなり面白く感じた。動きかっこいいし。絵柄自体は(エッセイで見慣れているせいもあるだろうが)、シリアスなバトルものっぽくないと思うのだが。そして絵・描き方を除いた点で面白かったのが、超人的な動きをしながら一方でやけに現実的なヘマをやらかすというところ。普通の漫画ならきっちりキメるところをキメられない。喩えるなら仮面ライダが変身中にやられるようなものだ。この一般人的というか小市民的というか小規模な感じ。街という舞台だから超人的な動きはある意味でそぐわないのだけど、小規模であることを主人公たちは自覚してもいる。小規模なヘマには「そぐわない」、もっと有体にいえば「中二病」という批判を打ち消す効果があるのではないだろうか。
 あと、ヒロインの存在が不思議だった。どうして前田はこのヒロインにマイナスの印象を持たないのだろう?

 それにしても、福満は(ネガティブな意味で)変な人間の風体を描くのが上手いな。
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