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・アニメ(広義バレあり)
「秒速5センチメートル」について。この作品は三つの短編から成っており、第一話の「桜花抄」だけを観た。
 それで、感想を箇条書きに。
1.期待通り、風景が凄い。しかし何故凄いと感じるのか? この問題を考えるにあたり「本物に近いから」という答えは予め除外するべし(何故なら小説に応用できないから)。
 あと、この作品の風景で最も本物らしくない点は、目線の飛躍にあるんじゃないかと思う。駅のホームが次の瞬間に自動販売機になるということは、通常、ない。

2.風景の書き方というか、どの風景を書くかということについて。「広い」という印象を与えるものが多かった。少なくとも「広い」ということを使って、自然のものでも人工のものでも美しく見せることができる。
 あと「広い」の対義語は「小さい」ではない。類義語はたぶん「長い」だろう。

3.フィクションの持つ「ネガティブなものを引き寄せる力」は凄い。終始、ネガティブな展開になる予感があった。

4.当たり前だけど「アニメを観る」ということは「シーンを眺める」ということで、その「眺める」というリアリティを助けるのが、(本物のような)風景の力なのではないか。保坂和志が言っていたことを実感できた気がする。

5.感情移入する相手は主人公である貴樹ではない。

6.面白いから続きをあまり観たくない。面白いという感情と畏れという感情は似ているのか?


・文学賞(今更だが)
 伊坂幸太郎が山本周五郎賞を受賞。おめでとうございます。本屋大賞もとったし、ようやく受賞、という感じ。月並みな感想だが、もっと早くとってもよかったのでは。けど直木賞は?
 んで、その直木賞だが、候補に伊坂の名前なし。
 芥川賞候補には前回の文藝賞をとった磯崎憲一郎と、18歳で文藝賞とった羽田圭介が挙がってた。羽田は現在23歳か。前田より下である。以前はこういう若い作家の活躍を聞くと劣等感があったが、今では励まされる。どちらが良いかは不明。

リンク>文藝春秋|各賞紹介
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無題
 カメラ(目線の話とか)についてはともかくとして、「秒速5センチメートル」を語るのであれば最後まで観ておいたほうがいいかと思います。できれば過去2作の映画、欲を言えば新海誠が手がけた幾つかのゲームOPも。
 テーマのこととか、演出の技法とかはそれで色々拾えます。とりわけ「ほしのこえ」とは対称的です。しょっちゅう出てくる電車に託されたニュアンスなんかも考えてみると結構面白いですね。
 「広さ」については空模様と光を用いて、というかそれを基軸に画面を構成していることが多いのでそう感じるのではないかと。印象的な遠景多いですから。そもそも、いつもの赤い十字の光とか、近景で使えたもんじゃないわけでして。
empty 2008/07/06(Sun)22:17:20 編集
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