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・コメント返信
>kisaさん
 こちらこそ誘ってくれて感謝。きっと創作の役に立つと思う。


・読書
「大東京三十五区 夭都七事件/物集高音」読了。同シリーズの 「冥都七事件」が面白かったので、続編であるこちらも読んでみた。昭和初期の東京を舞台にし、奇ッ怪な事件の絵解きをしていくという連作短編。解説によると、一編書くのに、相当に文献を漁らないとならないのだとか。それくらい時代考証がしっかりしているということだろう。
 文体の面白さが凄い。しかしそれは前作と同様であって、残念ながら自分は、文体以外の面白さを見つけることができなかった。これはトリックの出来を評価できない、というのが大きいのだと思う。前田はミステリを好んで読みはするが、トリックに面白さの焦点を殆ど当てない。だから連作短編ミステリの同シリーズを幾つも読むと飽きてしまうのだろう。今作も、その飽きが来てしまった。

 もうひとつ「サクリファイス/近藤史恵」読了。自転車ロードレースを題材にした作品。ミステリ作品であるということが宣伝文句に使われていたと思う。
 ロードレースを題材にしているということで、レースをどうやって小説で描写するのか、この辺りに期待したのだが、外れてしまった。ロードレースのルールや、順位なんかの状況は分かる(書いている)のだけど、レースにおける感覚のようなもの、つまり「読者がレースを体験しているように感じられる」というリアリティを目指す文章ではなかった。良い悪いではなくて、前田の期待した方向の作品ではなかったということ。
 ただ、心理描写からテーマの達成にいたるプロセスは丁寧で、お手本のような印象を受けた。タイトルも上手い。
 総じて、前田の感想としては、佳作。伏線の張り方が一部あからさまだと思うが、さして問題ではないだろう。
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無題
「近藤史恵」は「桜姫」を読みました。
ミステリミステリしてないミステリという印象です。純文学の系統が近いかも。心理描写に重点をおいているというのは同感。
むしろ「心理描写」をトリックもしくはオチとして上手く使っているという気がする。
kisa 2009/01/06(Tue)22:21:53 編集
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