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・コメント返信
>emptyさん
 確かに神林長平はまだ二冊しか読んでません。もっと言えば、SFを読むのが珍しいわけですが。
「今更」だと感じるときは、前田はその程度の書き手でしかない、と認識するのが正解でしょう。

>Rufuさん
「はてしない物語」ですか。ミヒャエル・エンデはまだ手を付けていなかったことですし、今度読んで見ます。
 そして『箱男』。その視点人物はついぞ想像したことがありませんでした(二人称小説は知っていますが、その観点では捉えていませんでしたし)。「真実性を保証しなくてよい」テクストというのも。
 かなり興味深いです。こちらも読んでみることにします。前田のリアリティ考察にかなり役立ちそうな予感。感謝。


・古書店
 電車が来るまでの待ち時間に古書店によって本を漁ってたら、「ルート350/古川日出男」のハードカバーを発見。
 前田は生きている作家、特に気に入っている作家は可能な限り新品で買うことにしている。しかし手が伸びてしまうというもので、値段を確認しつつ冒頭だけ立ち読みしようとページを捲った。
 サイン入りでした。購入。


・読書
「優雅で感傷的な日本野球/高橋源一郎」読了。
 もう……何だこれは? 何なの?
 高橋源一郎は「パンク侍、斬られて候/町田 康」の解説で「何なんだこれは……。ふざけているのか?」と書いていたが、当人にも言いたい。
「何なんだこれは……。ふざけているのか?」
 もちろん著者はふざけているわけではないだろう。大真面目にこういう文学に挑戦しているに違いない。しかし前田には分からん。この作品の文学性って何だ? なんで三島賞を獲れたんだ? あとがきに作品の狙いが書かれてはいたが……その狙いが達成されているのかどうかも分からん。
 内容は、まあ確かに日本野球がよく出てくる。悩む選手も登場する。けどそれが何だというのか。野球と見せかけた、いや、見せかける気すらないくらい、野球以外の何かを描いている小説だ。しかしその何かが分からない。今の前田ではどのシーンを切り取ってきても「わけが分からん」という感想になってしまう。

 前田は、高橋源一郎の小説はまだ「ジョン・レノン対火星人」と「優雅で感傷的な日本野球」しか読んでいない。しかしこの二点に共通する事柄として「まるで演劇を観ているような印象を受ける小説である」ことが挙げられる(当たり前だがこれは前田の受け取った印象で、他の人はまた違った印象を受けることもあるだろう)。様々な舞台をころころ行き交う構成であるとか、会話文が多いことなどがその原因だろう。
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・日記
 就活兼春休みにより帰省。


・読書
「永久帰還装置/神林長平」を読んでいる。途中だが「現実」云々という題材を扱っていて、なかなか興味深い。

 非常に当たり前のことなんだが、フィクションというのは嘘である。マンガだろうが演劇だろうが小説だろうが(基本的に)嘘だ。
 さて、その嘘の中で嘘をつくこともできる。作中作というやつだ。一昔前に流行った感のある仮想現実も、嘘の一種だろう。
 問題にしたいのは「虚構」についてである。虚構があれば対義語として「現実」も出てくる。現実であるということ、虚構であるということ。これを虚構であるフィクション内に登場させることの意味は何なのか?
「永久帰還装置」だと、前田の場合は、現実云々の題材が扱われることで、メタな視点に立たされた。「この物語の中で、前田が読んでいるこの小説が取り扱われているんじゃないか?」と思った、ということである。
 このように、メタな視点に立つということ。読者の小説に対する扱いが変わるということ。これは、以前に前田がこのblogで述べた「リアリティ」の問題に直結する(というか、同じである)。
 相変わらず前田は「リアリティの開発」が文学の目指す道だと考えているので(というか、前田がそういう文学を書きたいと思っているだけだが)、メタな視点に立たせるという「現実」は考察の対象として興味深い。
「虚構」「嘘」「作中作」も同様だ。これらは仕掛けや設定として簡単に扱うこともできるが、それ以上に重要な意味があるのではないかと思うわけである。

 もうひとつ、「永久帰還装置」の感想だが、「キャラ萌え」というのは言い換えれば「感情萌え」なのか、と思った。キャラというと直感的によく分からないが、感情というと直感的に分かる気がする。少なくとも前田にとっては。

 あと一般に「マンガとか小説にはリアリティが必要だ」ということが言われていると思うが(このリアリティというのは、上で前田の言っている「リアリティ」とは違う)、本当に必要なのはリアリティ=現実味ではなくて、説得力なんじゃないだろうか。リアリティも説得力も同じ意味だって言われたら「そうなんですか」と言うしかないけど。
・コメント返信
 音読しながらの執筆、意外に反響ありましたね。プロの人もやっているとは初耳。なかなか有効な方法の様子。
 句読点打ちに使うというのは「小説を話す言語に近づける」という効能を目指してやるものでしょうか。これも書き方のひとつの基準になるかも。
 自分の「音読しながら」の狙いと考察はまた今度書くかもしれません。


・購入記録
 最近買った(もらったもの含む)本のラインナップがなかなか変則的。一部を書いてみる。
「演技の基礎のキソ/藤崎周平」
「百年の孤独/G・ガルシア=マルケス」
「優雅で感傷的な日本野球/高橋源一郎」
「equal BandScore/ACIDMAN」


・読書
「アメリカの夜/阿部和重」読了。
「火車/宮部みゆき」読了。
・日記
 小説の執筆のとき、文章を声に出しながら書いていくと、捗った。だが、出来栄えとしてはどうなのか? とにかく今は書かないと話にならないと思うので、この方法で書いていくことにする。
・マイブーム
 windowsのサービスを切りまくったり、余計なエフェクトや表示を切りまくったりするのがマイブームになっている。少しでも軽くするのだ。
 現在、デスクトップにあるのはマイコンピュータとごみ箱のみ。壁紙は使いません。


・音楽的な意味で文学
 唐突だが、平野啓一郎、または町田康、或いは大槻ケンヂを目指すことにして、音楽を始めました。


・文学的な意味で音楽
 身体性、ということについて考えたい。スポーツと、楽器の演奏と、小説の執筆について(保坂和志は文学のポイントとして「身体性」という言葉を使っている)。
 人間は生きている限り身体を使うものだが、身体を使った結果という情報は、その身体の動きや感触を通してどれくらい脳にフィードバックされるものなのか? このフィードバック具合というか、結果と身体の感触の関係というか、その手のものはスポーツと楽器の演奏と小説の執筆で、結構違っているような気がする。
 まずスポーツ。これは……よく分からない。
 次に楽器の演奏。しかし前田は楽器の演奏についてサッパリなので、かなり想像。
 曲目を演奏する際には、まず楽譜(というよりは、理想とする音)があって、それに向かって演奏することになる。自分の指なり口なり足なり腕なりを使って、音を出す。身体の動きから直に音が出て、その音が理想の音と比べられる。どうやって比べるか? 出た音を耳で聞いて、頭の中にある理想と比べる。
 流れとしては「身体の動き→結果(音)の発生→身体を使った結果の取得→理想との比較」という具合か。身体と行為がかなり密接に関わりあっている。
 最後に小説の執筆。身体の動きを使って直に文字を書くことができる。この部分は楽器と同じように思う(音が文字かというだけの違い)。しかし小説の場合は「頭の中に浮かんだ文字を自由に書き出せる」という点で音と異なっている。楽器を演奏する場合には、頭の中にある理想の音を常に出せるとは限らない。演奏の技術とはつまり、理想の音を出す技術なのではなかろうか。小説の場合、文字を書くことは技術ではない。
 じゃあ、小説の執筆における理想というのは何のことなのか。文字や文章そのものに理想はなく、文章から受ける印象について理想がある。だから、身体を使って出力された文章そのものは、頭の中にある理想と「そのまま」比較することができない。書かれた文章を読んで、そこから印象を得て、その印象が理想的かどうかを判断することになる。流れでいえば「身体の動き→結果(文章)の発生→身体を使った結果の取得(文章を読む)→脳で結果を解釈する→理想との比較」となる。身体と行為は、楽器の演奏に比べ、密接でない。
 この、演奏と執筆における「身体と行為の密接さ」の差。ここに保坂和志の言う「身体性」の意味がないだろうか。
 ちょっと楽器の演奏のことに戻ろう。ジャズのモード奏法について。
 モード奏法というのは、前田はよく分かっていないのだが、要はアドリブのみ、というような演奏らしい。保坂和志は「文学はモード奏法であるべきだ」ということをよく言っている。で、モード奏法での「身体と行為の流れ」を考えてみる。こうはならないだろうか?(前田はモード奏法をやったことないので完全に想像である)
「身体の動き→結果(音)の発生→身体を使った結果の取得→今までの演奏の流れの把握、解釈→理想との比較→次の身体の動き」
 楽器の演奏であるが、解釈の部分がある分、小説の執筆に近くなっている。理想というのも音ではなく、演奏全体の印象のことだ。
「小説の執筆」と「楽器の演奏」の中間にあるような「モード奏法」。ここに文学のヒントがあるのだろうか?
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